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幻想的な冬の風物詩
2006-01-26 Thu 14:08
私は出勤の時に毎日、末広大橋という橋を渡ります。
今朝もこの橋を渡っていると、橋の下の河面に緑の花が咲いたように
鮮やかな灯りが点々と灯っているのが見えました。

あ! これは間違いなくシラスウナギ漁だ! と、ピンと来たので
さっそくいつもの通勤コースを外れて、河口付近の岸壁に行ってみました。
末広大橋の架かっているのは新町川という川で、
徳島の中心地を流れて紀伊水道に注いでいる、ごく普通の川なんですよ。
この川でもシラスウナギって穫れるんだなぁ なんて思いながら
しばし観察していました。

shirasu1.jpg


このシラスウナギ漁というのは、徳島では吉野川の河口付近で
冬になると行われるいわば冬の風物詩。
寒風吹きすさぶ暗闇の中に灯った明るいライトに集まってくる、
シラスウナギ、つまりはウナギの稚魚をタモですくうという
漁なんですね。

さてみなさん、我々が普通に食べているウナギって
どういう生き物だか知ってます??
マーケットに流通しているウナギの95%は養殖で、
天然が5%ぐらいだと言われていますが、
さてではその養殖ウナギの正体とは??

養殖といいますが、人工的に孵化させて、
それをいけすの中で育てるという一般的な養殖とは違って、
ウナギは天然のシラスウナギを捕まえてきて、
それを育てる、というやり方をしています。

なぜそんなことをするのかといいますと、ウナギの人工孵化には
まだ成功してないんです(汗)
というか、ウナギの生態って意外なことに
ほとんど分かっていないという未知の生物なんですよ(爆)

ウナギはどこで産卵をして、どこで育ち、幼生のときには何を食べていて、
そしてどういうルートで徳島などまでやってきているのか。
そういったことがまるっきり分かってないんですよ(滝汗)

日本の近海で漁獲されるウナギに、抱卵しているウナギは
まったくいないので、おそらくは日本を遠く離れた場所で産卵し、
幼生時代を過ごしてるんだろう。
そして幼生からシラスウナギに成長しながら日本の近海までやってきて、
なぜか河口付近の汽水域に住みつくらしいですね。

ただ、分かっていることはシラスウナギを捕まえてきて、
それに餌をやると大きくなり、ウナギに成長するということぐらいなんです。
・・どうです? そう思うとみなさん、
とっても不思議な魚を食べてるんですよ(笑)

ウナギを人工的に産卵、孵化させることには成功した例はあるそうですが、
なぜか生まれた幼生はすぐに餌を食べなくなって死んでしまうんだそうです。

だから、シラスウナギを捕まえてきて、それを育てるというわけ。
この方法だとなぜだかちゃんとウナギに成長するんですね(苦笑)

ウナギっていうのはそこそこ値がする魚ですから、
その稚魚であるシラスウナギはとってもいいお値段がするそうです。
といっても、シラスウナギを買うのはウナギの養殖業者や
その仲買人なので、我々のような市場の仲買は買うことはありません、
というか、市場にシラスウナギが並ぶことはないですね。
なんでも、キロあたりン十万円もするとかしないとか(滝汗)
昔は100万円台にまでなったそうですよ。

今ではそんなことはなくなってしまったそうですが・・・。
シラスウナギは一匹が数グラムしかないですから、
1キロなんていうととんでもない数になるわけですね。
その数グラムのシラスウナギが成長すると、
一匹で数千円の価格になるわけですからまぁシラスウナギが
高いっていうのも納得できる話ではありますけども。

写真は夜にデジカメで撮影しているので、どうしてもブレてしまって
とっても分かりにくいのですが(汗)、シラスウナギ漁をする船は
船のおしりに水銀灯
(道路に付いているのと同じモノだそうで、とっても明るい!)を
取り付けてあって、これで水面を照らし、光に集まってくる
シラスウナギを手にした小さなタモで丁寧に一匹ずつすくっていくんです。
とても繊細で根気のいる作業なんでしょうねぇ。。。
しかも冬場の明け方まで、つまり一年を通して一番冷え込みの
厳しい時期にしかできないのがこの漁。

shirasu2.jpg


と、とりあえず私には真似できそうにないです(苦笑)
というか、シラスウナギ漁をするにはライセンスが必要なので、
誰でもが勝手に漁をすると密漁ってことになっちゃいますけども(爆)

私がクルマをとめた岸壁のすぐ脇を漁をしている船が
通り過ぎていったのですが、
シラスウナギなんて、私が見ている限りは全然いませんでした。
私が見過ごしているだけ? と最初は思ったのですが、
漁師さんも手にしたタモを全然水にもつけていないので、
おそらくホントにいないんでしょう。
やっぱりそんなやたらめったらウジャウジャいて、
灯りを付けたら池の鯉みたいに集まってきて掬い放題! 
なんてことはないみたい(苦笑)

魚類マンの中にも昔シラスウナギ漁をしたことがある
っていう人がいたので話を少し聞いてみたんですけど、
やはり「ふらふらっと現れるシラスウナギを 見つけた! 
とばかりに一匹ずつタモで掬っていくような感じ」
だそうです。

あ、この船っていうのはね、漁をするときには
バックで進むんですよ。
つまり、ライトを先頭にして船をゆっくりと逆走させながら
漁をするんですね。

昨年はシラスウナギが不漁で、結果的にはウナギは
値上がり傾向になってしまいました。
そして今年は・・・シラスウナギはけっこう豊漁なんだそうですよ。
ですから、今年は去年みたいなウナギの高値にはならないかも??
こればっかりはまだ分からないですけどね(汗)

今ぐらいに時期だとこの新町川だけじゃなくて、
徳島県下のある程度大きな川ならあちこちでこの漁をしているらしいですよ。
みなさんの近所でも意外と漁をしてるかも知れないですね。
暖かいところから見ているだけなら幻想的な冬の風物詩ですけど、
やってる本人達は必死です(苦笑)

ま、それを知っててもやっぱり幻想的な風景ではありますね。
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