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新時代のオサカナ
2006-05-15 Mon 16:47
徳島魚類にはご存じの通り、看板ともいえるような28トンの活魚水槽車が
2台あるんですが、そのうちの一台がなにやら魚を満載にして市場に
帰ってきました。
これからの季節はハモのシーズンになりますから、まさしく活魚車は
フル稼働状態になります。毎日毎日、あっちにこっちにと忙しく走り回る様子は
なんとも頼もしく見えるんですよね(^^)

さて、そんな季節でもあるので、てっきりハモを満載して戻ってきたのかと
思ったのですが、どうやら違う様子。。
shiitake1.jpg


活魚車のドライバーが水槽から魚の入ったカゴを取り出しているのですが、
中に入っていたのは・・・

shiitake2.jpg


養殖のヒラメでした~(*^_^*) 
このヒラメは韓国の済州島からはるばるやってきたんですよ。
最近は国内産のヒラメだけでなく、韓国産の養殖ヒラメはとても評価も高く、
あちこちで見かけるようになってきてるんですよ。
みなさんもひょっとするとスーパーなどで見かけたことが
あるかも知れないですね。

さてこの養殖のヒラメくんたち、よーく見るとなんともでっぷりと肥えていて
背びれの部分までぷりっと膨らんでいて、なんともうまそー(笑)
shiitake3.jpg


この韓国済州島産の養殖ヒラメ、実はそんじょそこらのヒラメではありません。
名前を

シイタケヒラメ

といいます。なんじゃそりゃ?? っていうのがまず最初の印象ですよね(笑)
私も初めて聞いたときには「なんじゃそりゃ?」って言いましたもん(^_^;)
別に頭からシイタケが生えているわけではなく、餌の中にシイタケの
粉末を混ぜて与えている、というヒラメなのです。

なぜにシイタケ? というのが次に浮かんでくるストレートな疑問ですよね。
韓国の済州島というところ、海外旅行に明るい方には聞き慣れた名前
かもしれないですが、「東洋のハワイ」として韓国随一の
リゾートアイランドなんです。
で、この済州島は観光地であると同時に養殖ヒラメの一大生産地でもあるのです。
そしてさらに、済州島はシイタケの産地としても有名だったりするんですね。

この済州島でその昔(というほど昔じゃないですが(^_^;) )シイタケを
作っている人がおりました。
この人が新規事業としてヒラメの陸上養殖を始めたのですが、あるとき、
このヒラメたちが病気で全滅してしまうという事件が起こりました。

そのとき、海をぼーっと見つめながらこのシイタケ生産者は考えた。。。
病気に強いヒラメはできないものか、と。。。
そして彼が幼少の頃、病気がちで体の弱い少年だったのに、シイタケの
粉末を食べるようになったところ、病気が治ったということを思い出し、
「ヒラメにシイタケを食べさせたらどうだろう!」と思い立ち、
研究を始めたのがきっかけなんだそうです。
なんともストレートというか、いやはやなんというか。。。(苦笑)

でも実際にはシイタケだけでなく、いろんなモノを餌に配合してヒラメに
与える実験をしたそうですよ(汗)そして、最終的にシイタケの粉末を
与えたヒラメが最も優れている、という結果になったんだそうです。

そういうと、なんともキワモノっぽい雰囲気ぷんぷんなのですが(汗)、
シイタケヒラメは韓国ではすでにれっきとした「ブランドもの」なのです。
シイタケヒラメじゃないと要らない、と有名デパートや料理店から
指名買いされるほどの人気商品。 

さて、なにがそんなに優れているのか、というと。。

まず、シイタケヒラメは通常の養殖ヒラメや天然ヒラメと比較して、
栄養成分がとても優れているんですよ。これはまさしくシイタケの持つ
天然の薬効とでもいいましょうか。

そして、シイタケの薬効で強くたくましいシイタケヒラメたちには
養殖魚では必須とも言える伝染病の予防薬などの薬をほとんど与えなくても
病気になったり死んだりしないので、そうした投薬が格段に少なくてすみます。

さらに、このシイタケヒラメをもう一度よく見てみるとすぐに分かりますよね。
尻尾になにやら巻いてありますね。

shiitake4.jpg


これ、実はバーコードなのです。
このバーコード、数字も入ってますけれども、バーコードリーダーで読み取ったり、
数字を入力することでそのヒラメがどこの生け簀で育てられたのか、
生育時の水温などの育成条件や生産者情報、出荷情報などが一匹一匹、
個別に検索することが可能なのです。
実はコレ、養殖ヒラメとしては世界初のシステムなんですよ。
というか、養殖、天然を含めて活魚でバーコード管理が完全にできる魚というのは
まだまだ数えるほどしかないので、かなり画期的なシステムなのです。
最近よく耳にするようになってきた「食品のトレーサビリティ(生産履歴管理)」
にもバッチリ対応している、ということです。
これが可能なヒラメは世界広しといえども、このシイタケヒラメだけ!

これらの特長のあるシイタケヒラメ、まさしく
「安心・安全」がキーワード、というわけです。
今の食品業界共通のテーマともいえるものですが、このシイタケヒラメは
その最先端にいる、というわけなんですね~(^^)/

さらに、このヒラメには保険までかかっているんですよ。
万が一にも、このヒラメを食べたことで事故が起こってしまったとしても、
それを1億円まで生産者が補償してくれる、という責任賠償保険に
これまた世界で初めて加入しているんです。

まぁそれだけ品質に自信があることの現れなんですね~(*^_^*)
品質に自信がある、というのにはちゃんと理由があります。

シイタケヒラメはヒラメにシイタケの粉末を混ぜたら安直にできるかというと
さにあらず。 そんな単純なものではないのです。
シイタケヒラメを開発し、生産しているのはJJFという韓国済州島の
養殖魚生産組合なのですが、シイタケヒラメの生産を始めるに当たり、
まず生産者と生け簀の選定から始めたんだそうです。

シイタケヒラメは、その特長からも分かるように「安心・安全」が
キーワード。そしてもちろんですが、食べて美味しくなければ意味がない。
最高の品質を持ったヒラメを生産し、高品質・高付加価値のヒラメとするべく、
最初の立ち上げの時から、それを生産する人、そして場所に厳しく制限を
課したんだそうです。

シイタケヒラメは育てるにあたり、餌やりは機械で自動で、というのではなく、
手で餌をやります。それは、餌やりの時に人が自分の手でやることで
ヒラメたちの様子が確認できるから。餌の食べ方、生け簀の清掃状況、
何か変わった様子がないか? そういうことを自分の目で確認しながら
餌やりをするわけです。

生け簀もいつもキレイに掃除をしなければいけません。それが高品質な
ヒラメの生産の一番基本だから。
実際に私もシイタケヒラメを生産する生け簀を見に行きましたが、
ほんとにキレイなんですよ。透明な水の中を悠々と泳ぎ回るヒラメたち。
澱んだ水の中で、ヒラメの姿も見えない、というような生け簀は
ひとつもありませんでした。

shiitake5.jpg


ここが実際にシイタケヒラメを生産している済州島の生け簀。
こんなにもキレイな水の中で、まさしく生き生きと泳ぎ回るヒラメたち。
見渡す限りの広大な生け簀が広がっている光景はまさしく圧倒されます。
写真ではちょっと見にくいですけども、水槽の底で水槽の模様のように
見えているのは全部ヒラメなんですよ(^_^;) 
まさしくヒラメが丸見え状態です。

そして、水槽を見るときにはあまり急に顔を出してヒラメたちを
驚かせないように、と注意を受けました。
実際、水がきれいだから水槽をのぞき込むとヒラメがビックリして
ぴゅーーっ! と蜘蛛の子を散らすように逃げるんですよ(汗)
ヒラメってこんなにすばしっこく泳げるんだぁ~なんて感心してたんですけど、
驚かせるとヒラメにはストレスになるから、できるだけそーっと
覗いてください、ということなんですね。
こんなところにも生産者たちのヒラメへのこだわりが見えます。

こうした行き届いた管理のできる、手間を惜しまずに取り組める生産者であること。
そして、生け簀の立地にもこだわりがあります。
近くに工場や観光施設がある場所はまずNGです。排水が海水に混ざり込んで
清浄な海水を生け簀に取り込めない可能性があるからですね。

同じく、近くに川が流れているところもダメなんです。
それは、川の水が流れ込んでいる近くの海水は塩分濃度が薄くなっているので
これも生け簀の条件としてはよろしくないんだとか。

とまぁこんなふうにこだわり抜いた環境と生産者が作り上げるヒラメたち。
味のほうはというと。。。もう言うまでもありませんが、美味しいんですよ(*^_^*)
普通のヒラメと比較すると、なんともモチモチとした食感がたまりません。
手間暇かけて育てられたヒラメたちはきっちりと肥えて、歩留まりも
脂の乗りも最高です。

それもそのはずです、シイタケヒラメは産卵期など身が痩せる時期には
決して出荷をしません。どんなに「痩せててもいいから出荷してくれ」
と言われても、です。

それは「そんなヒラメはシイタケヒラメとは呼べない」から。
ある一定の品質基準を満たせないヒラメは、シイタケヒラメではないんです。
そこまでこだわっているからこそ、高品質ヒラメのブランドが成り立つわけですから
ブランドに傷を付けるようなヒラメは絶対に出荷しないということが
徹底しているわけです。
だからこそ、出荷されてくるシイタケヒラメはまさしく「お墨付き」という
安心感もあるし、品質も確か、というわけですね。

と、ここまではシイタケヒラメの素晴らしいところばかりを紹介してきましたが、
まぁ唯一というか、難点もあるわけで。。

それは、やっぱりというか、「普通の養殖ヒラメよりもちょっと高い」
ということ(汗)でもね、これはやっぱり仕方ないんですよね(苦笑)
これだけの手間とシステムを構築した中から生まれてくるブランド品なんですから
それが普通のヒラメと同じ価格というわけにはいかないんです(^_^;)

安心・安全にはお金もかかる、というわけですよ。

でも、本来ならもっともっと高くなってしまうであろうこのシイタケヒラメ、
JJFの努力と生産者の努力、そして我々流通をつかさどる部門の努力で
できるだけ安く、通常のヒラメと比べても遜色がないようにと
コスト削減に努めた結果、なんとかかなり価格を抑えることも可能になりました。
といっても、やっぱり普通のヒラメよりはちょっとだけ、高いんですけどね(汗)

この安心・安全・高品質なヒラメ「シイタケヒラメ」はですね、
実は日本では取り扱い業者がほんとに数えるほどしかないんですよ。
それはなぜか? それもやはり「安心・安全」のためでもあります。
信頼のおける業者を通じて販売されてこそ、最終消費者であるお客様の
ところにシイタケヒラメが届けられる、という考え方ですよね。

ということで・・・もうおわかりだと思いますが、その日本でシイタケヒラメを
販売できる数少ない業者の中に、我が徳島魚類も名を連ねている、
というわけですね(^^)/
というか、実質的にはメインの2社のうちの1社といっても過言ではないかと。

普通のヒラメと比較して、格段に品質に優れ、安心・安全でトレーサビリティも
万全、保険まで付いた美味しい養殖ヒラメ。でもちょっとだけお値段します(汗)
というこのシイタケヒラメ、これから皆さんに知ってもらって、たくさんの
シイタケヒラメが日本の皆さんに食べてもらえるよう、これから徳島魚類は
気合いを入れて取り組んでいく計画です。

きっとこれからみなさんの周りにも、尻尾にバーコードの付いた、
ぷっくりと肥えたヒラメが見かけられるようになることでしょう。
ぜひともこの新時代のヒラメ、試しに食べてみてくださいね。
きっと「これだ!」と思われるはずですよ(^^)

JJFのシイタケヒラメについてはこちらをご覧下さいね。
徳島魚類の名前もしっかり入ってますよ(^^)
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