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超絶新鮮!「立つサンマ」
2006-09-15 Fri 16:42
もうすっかり秋。朝夕は寒いぐらいになってきましたね。
暑い暑いと言っていたのが嘘のように、季節は巡るんですね~。

秋本番を迎えて、市場のメインはすっかりサンマになった感じがあります。
もちろん秋になると、いろんな旬の魚がセリ場には並ぶのですが、
やっぱりセリの序盤で目立った存在となるのはサンマ。
とにかくおびただしい量のいろんなサイズのサンマが両方の荷受けのセリ場に
所狭しと並べられ、競り落とされていくわけですね。

もうすっかりサンマも値段がこなれておりまして、
通常サイズのものなら1匹100円をはるかに切るような値段になっています。
スーパーさんの店頭でも、秋はサンマが欠かせないですしね(^^)

さてそんな秋の序盤の徳島魚類の店先に、今日はちょっとかわったサンマが。

daikoku1.jpg


店前の一等地に並べられたこのサンマ、箱の模様がたしかにいつもと違います。
でも、箱中身を見ても、普通のサンマのように見えるんですよね。

daikoku2.jpg


しかし驚くなかれ! このサンマのお値段は、なんと通常の3倍以上!(爆)
何がそんなに違うのか? と言いますと・・・触ってみると分かります。
ほら、このとおり!

daikoku5.jpg


なんとこのサンマ、尻尾のほうを持って頭を上に向けると・・・
こんなふうに立ってしまうんですよ(^^)
これは、それだけ身がしっかりしていて弾力に富んでいる、という証。

ちなみに普通の新サンマだとこんな感じになります。
daikoku4.jpg


ぐにゃー ってなってしまうんですよね(^_^;)
でも、これが普通なんですよ。
私なんかにしても、新サンマっていうのは冷凍処理されていないから
身が柔らかいままで、これだけ柔軟なのが新物サンマの証!って
思ってましたからねぇ(苦笑)
これが普通の「新鮮なサンマ」なのです。

では、通常の3倍以上のお値段が付いたサンマがなんで
こんなふうに立ち上がってしまうのかと言いますと、

通常の新サンマよりもさらに鮮度がいい

ということなんです。
鮮度がいいために柔らかな身が単に柔らかいだけでなく、
しっかりとした弾力があって張りがあるために
ぐにゃーっとならずに身の力だけで立っていられると
こういうわけなんですね。

それが証拠にまっすぐに天を向けるとピーンと真っ直ぐではなく、
曲がりそうで曲がらない、という微妙なしなやかさがあるのが
上の写真でも分かると思います。

もちろん、解凍サンマですと凍ってたりするので、
同じように持つとぴーんと立ちますが、立ち方が違いますよね(^_^;)
身が凍ってて硬いので、真っ直ぐに立ち上がる、というわけ。
そういう立ち方とは明らかに違う立ち方をする、
この「超絶新鮮サンマ」っていうのは何かと言いますと、

北海道産のブランドさんま

なのです。
ご存じの通り、サンマといえば北海道の水揚げがとても多くて、
産地であるわけですが、通常のサンマというのは漁船が沖合で
サンマを漁獲してそれを氷水の入った船の水槽の中に蓄えて
漁港に戻り、水揚げをされた後に選別して氷水の入ったスチロールの
箱の詰められて出荷、という手順になります。

最近はこの陸上での選別にはコンピュータによる自動化ラインで
とても迅速にサイズ別に分けられて、自動的に箱詰めされるものが
一般的になっているようです。

で、徳島までは陸路、トラックで延々と高速道路を走ってやってきます。
なので徳島中央市場では、「釧路」なんていうナンバーの付いた
巨大なトレーラーがやってきては、大量のサンマを荷下ろしする光景が
毎日のように見られるんです。

これに対し、このブランドサンマはといいますと・・・

当然ですが漁船がサンマを漁獲するまでは同じです。
でも、ここからいきなり違います!
漁獲した船の上で、型が大きくてよく太った良質のサンマだけを
漁師さんが選別して、その場でなんと! スチロールの箱に
直接箱詰めしているんです。

漁獲されたあとで直ちに箱詰めされたサンマは、
漁港に戻ると今度は陸路ではなく、空路・・・つまり
なんとジェット機に乗って徳島までやってくるのです(^^)/

通常の新サンマが徳島までやってくるのに平均して
漁獲から3日~4日かかるのに対し、このブランドサンマは
なんと! 漁獲の翌日には遠く離れた徳島中央市場の
セリ場に並んでいるのです。

というわけで、やはり鮮度が全然違う、というわけなんです。
普通の新サンマにしても十分に鮮度があるのに、
さらにこのサンマはこれ以上はない、っていうぐらいに
鮮度がいいわけなんですね。

これ以上の鮮度を求めるとしたら、漁船の上でとれたてのサンマを
食べるか、あるいはジェット機でサンマ漁をするしかないですね(爆)

というわけで、箱を見ると確かにこのサンマを獲った船の名前が
誇らしげに書かれています。
そしてブランドものですからね、ちゃんと名前も付いてるんです。

daikoku3.jpg


何種類かある北海道のブランドサンマですが、
今日入荷していたのは「大黒さんま」という北海道厚岸で
水揚げされたブランドサンマでした。

もちろん今日のブランドサンマの入荷は徳島魚類だけ。
こういう新しいモン好きは魚類さんならでは、かもしれないですね(苦笑)

こういったブランドサンマが生まれてきた背景には
やはり「差別化」だとか「高付加価値」というキーワードがあります。

サンマというのは季節になれば大量に漁獲される魚ですから、
言ってみれば差別化しにくい商品なわけです。
ではどうすればいっぱいある同類の商品と差別化して、付加価値を
付けることができるのか。

ってことで考えられたのが「鮮度」というわけなんですね。
鮮度はもちろんですが、漁獲している人たちがその場で目利きをして
よく肥えた一級品のサンマだけを選び出して箱詰めしている、
というのも付加価値のひとつですよね。

「差別化」「高付加価値商品」というのは今のビジネスでは
キーワードになって久しい要素ですが、水産業界においても
それは例外ではない、というわけですね。

考えてみればウチで生産している「きらびきハモ」も
「徳島近海産」「活き〆」「即日出荷」「骨切り加工済み」
という「差別化要素」を持った「高付加価値商品」と言えますよね。

じっさいのところ、こういった高付加価値商品っていうのは
当然ですがコストがかかるために、販売価格にコストが跳ね返り、
通常品よりもだいぶ高いものになってしまうのですが、
最近の傾向としては、「品質がよく、納得できるものならお金を出す」
という消費者が増えているんです。

不景気だ不景気だと言うけれども高級車が売れてみたり、
高い「お取り寄せグルメ」が売れたりするのはその証左ですよね。

さてこの高いけれども品質に折り紙付きの「大黒さんま」、
高額にもかかわらず今日のウチに完売とあいなりました(^^)/

あ、実は私もこの大黒さんま、
今日の夕食に食べてみる予定です(*^_^*)
やっぱりなにごとも勉強ですからね!(苦笑)
これ以上は望めないぐらいに新鮮なサンマのお味って
いったいどんななんでしょうね? 


あ~ 腹が鳴るぜ~(^_-)
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