さぁいよいよ今年もあと一ヶ月少々となってきました。
今週のうちに師走に突入してしまいますね。
なんといっても魚市場は年末がかきいれ時。
これからの季節にはいつもにも増してお客さんが増え、
市場が一年のうちでもっとも活気づくシーズンです。
あれだけ「いつまでも暑いな~」なんて言ってたのが
ウソのように、やはり年末が近くなってくると
しっかりと寒くなってくるから不思議ですね(^^;)
さてそんな今日このごろなのですが、
先日の夕方、事務所に戻ってくると、真新しい「帽子」が
私の座っている事務机の上に置いてあります。
市場でいう「帽子」っていうのは、特別な意味のある単語なんです。
仲買で帽子、っていうのは「セリ人の被る帽子」のこと。
そうなんですよ、私にもセリに参加する資格ができた、
ということなんです(^^;)

この帽子は社長の被っている帽子なのですが、
真ん中にある「5」という数字は、言うまでもなく
徳島魚類の仲買番号ですね。
その脇に小さくあるのは整理番号みたいなもんでしょうか。
この画像は、徳島魚類のホームページの
トップに使っているものですよね(^^)
私の帽子の番号は「7」番。
同時にもう一人が帽子をもらいましたので、その人は
「8」番ということになります。
よく友人知人などに「市場に勤務している」と言うと
「じゃ、あの何を言ってるか分からん怒鳴り声で魚を買ってるん?」
と聞かれるのですが、それはちょっと間違い(^^;)
セリに参加できるのはあくまで「セリ人参加資格」を
持った人だけに限定されています。
セリで魚を売る側は「荷受けのセリ開催人」で
セリで魚を買うのが「セリ参加人」というわけです。
通常はセリ参加人は仲買の人なんですが、中には
直接セリで魚を買うことのできるお客さんもいらっしゃいます。
そういう人は「買参人」と言ってますね。
セリの様子っていうのは市場マンじゃなくても
だいたいご存じかと思います。
よくテレビなんかでやってますもんね。
だいたいこんな感じ。

セリのやり方っていうのも、実は市場ごとにいろいろな形式があり
それぞれに特色があるんです。
セリ前に魚をセリ人が全部チェックし、そのあとで
セリをする場所に集まって、一発勝負でセリをして
一番高値を出した人に競り落とすっていうようなやり方、
これは築地なんかで見られるやり方なんですが、
徳島の場合にはセリ場に並んだ魚の周りに
セリ開催人とセリ人たちが集まって、魚を見ながら
競っていく、という方式なんですね。
特色があるのは、セリ値っていうのがオークションのように
せり上がったりするだけでなく、買い手が付かないと
セリ下がっていくことがあるっていうこと。
なので、思わぬ安値で買えてしまったりすることもあるんです。
これが徳島の市場の特色の一つといえるでしょうね。
さて、セリ風景の写真はまさしく、魚の周囲に集まって
セリをしている様子なのですが、
中央手前にいる黄色いジャンパーでベージュの帽子を
着ているのが「セリ開催人」すなわち、
セリで魚を売る側の人です。
セリ開催人の左斜め後ろ、メモ帳を構えてなにやら書き込む人、
(ちょっと見にくいですけども・・)
この人はセリ値を順に書き込んで記録していくセリ開催人の
補助役の人ですね。
で、セリ開催人を取り囲むようにして、帽子を被っている人たちが
セリ人、つまりセリで魚を買う仲買の人、というわけです。
見ていただくと分かりますが、セリ人の帽子には二種類ありますね。
徳島魚類の帽子と同じ、黄色い帽子、そして赤と青のツートンに
なっている帽子。
これはどちらもセリ人の帽子なのですが、現在の徳島中央市場の
鮮魚部門の仲買には、2つの仲買組合がありまして、
その組合ごとにセリ人の帽子の色が違っているというわけです。
さて、そのセリ人となるための資格なのですが、
まずは市場での勤務経験がある程度なければダメ、ということに
なっています。そりゃまぁそうですよね(^^;)
そのほかにもいろいろな申請書類を徳島市に
提出しなければなりません。
徳島中央卸売市場は徳島市の管轄ですから、
徳島市に提出する、というわけです。
私の場合、市場勤務をはじめてからやっと3年経ちますので
まぁ一応、額面上の「経験」としてはOK、ということに
なるんですね(苦笑)
まだまだヒヨッコですので、セリに本格的に参加!
なんていうことは無理なんですけども(^^;)
セリ人というのは、とにかくセリに出ている魚をお客さんのために
できるだけ安く買うのが仕事。
対するセリ開催人は、できるだけ高く買ってもらいたい、という
立場ですので、そのせめぎ合いがセリ、ということになります。
それぞれのセリ人たちは、自分の会社のお客さんからもらっている
注文リストをセリ前に全部メモし、数量や値段、そしてお客さんの
好みなどをすべて加味しながら次々に魚を競り落としていきます。
もちろん自分たちの会社だけじゃなく、隣には別の会社のセリ人たちが
ひしめいていますから、それらのセリ人達と値段競争をしながら
その値段でOKかどうか、魚の鮮度は? 量は? 産地は? などなど
いろんな要素を一瞬のうちに判断して買っていくわけです。
私もセリ場でセリ人のヨコでよくセリの様子を見ているんですが
そらもう鮮やかですね(*^_^*)
そして・・・こんなの真似できんよなぁ~ なんて
弱気にもなってしまいます(>_<)
だいたい私、先日まで指の出し方すら
全部分かってなかったんですもん(滝汗)
指の出し方っていうのは、セリの値段を指で示す、
その出し方、という意味。
セリ人達はセリ開催人のねだんの提示に対して
その値段よりも高い、低いを声ではなく、指で出します。
この出し方がまた普通に指でカウントするのとは
またちょっと違ってて、独特の出し方があるんです。
これも市場ごとに微妙に違うらしいですし、
また青果市場と鮮魚市場でも違うんだそうです(汗)
さすがにこの指の基本的な出し方はセリ人の先輩に
教えてもらったのですが・・・ぱっとすぐに出せない(涙)
セリの時には「え~っと8はどうやって出してたっけ??」
なんて悠長なことできないですし、出し間違っても
訂正なんてききませんからねぇ(滝汗)
まぁ指はちゃんと出せるようになったとしても、
競られている魚をいくらぐらいで落とすのが適当なのか、
またせり上がりを狙って指を出す場合、セリで安く買うための
戦略、ほかの仲買よりも有利にセリで魚を買う方法など、
シチュエーションによっていろいろな値の出し方があるんです(汗)
先輩セリ人にいろいろと基本的なレクチャーはしてもらったのですが
これがまぁ~ほんとに奥が深い!!
とてもじゃないけどいきなりセリで
うまく買うことなんてできないですね(T_T)
というわけで、先輩セリ人たちが口を揃えて最後に言うのは
「こればっかりは場数を踏んでナンボのもん」ですね。
そらそうでしょうねぇ~ 先輩セリ人たちにカモにされながら
少しずつセリ運びがうまくなっていくんでしょうね。。。
とりあえずセリの間は帽子は被ってると思いますが、
セリに実際に参加させてもらうのはもうちょと先かな(^^;)
なんて言ってたらいつまで経っても
買うのが上手にならないんですが(汗)
とにかくお客さんに迷惑かけないように、
少しずつセリにも参加していこうと思っています(^^;)
どうぞよろしくです~m(_ _)m