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実にややこしいオスとメスのお話
2010-03-01 Mon 10:27
先日までのあったかい、というよりも
暑いほどの2月から打って変わって、
3月の始まりはやたらと寒くなりましたね(>_<)

2月最後の日曜日には、日本全国で津波警報が
発令されて、なにかと騒がしい休日となりましたが、
一部で浸水の被害があったものの
幸いにして大きな被害が出ることもなかったようで。

しかし。。。
文字通りその「余波」で、市場にはオサカナが・・・
いませんっ!(>_<)
そりゃまぁ 津波警報が出ているときに出漁、っていう
わけにもいかないですしね・・・仕方ないですが(涙)
そんなわけで、なんとも幸先の悪いスタートとなった、
三月の幕開けだったのでした・・。

それはさておき。

先日、一本の電話がかかってきました。
どうやら一般の方からのようなんですが・・

アワビのオスとメスっていうのは区別できますか?

という質問だったのです。。
え? アワビのオスとメスですか??
と、思わず聞き直してしまいました(汗)

というのも・・・。
実はアワビのオスとメスっていうのは実にややこしいんです(汗)
その理由っていうのはあとから説明しますが、
そのことが頭をよぎったので
そんな質問をする理由を聞いてみました。

なぜにアワビのオスとメスの区別が必要なのですか? 
ってね。

そうしたところ、こんな理由だったのです。

今ワタシは妊娠中なんですが、旦那さんが県外の人で
ダンナさんの実家のほうでは
「妊娠中にアワビのつがいを食べると生まれてくる赤ちゃんにいい」
というような言い伝えがあるから、アワビのオスとメスを買おうと
思っている


っていうんですよ。

近所にある魚屋さん数軒に聞いてみたんだけども、
「え? アワビにオスとかメスとかあるん?」
と、逆に魚屋さんに質問されちゃったらしく。。(苦笑)

で、電話帳で調べて市場の中の専門店である仲卸に
電話をしてきた、ということらしいです。

なるほど、そういう言い伝えのある地方があるんですね。
ってことで、電話を切ってからこの言い伝えについて調べてみました。
すると、この言い伝えがあるのは伊勢地方(三重県)のようです。

妊娠5ヶ月の頃に、つがいのアワビを食べると目のキレイな
赤ちゃんが生まれてくる、っていう言い伝えがあるんだそうです(^^)
なんともいろんな言い伝えってあるんですね。

さてさて、ここでいよいよ本題なのですが。
アワビのオスとメスはどのように区別するのか? 
ということなんですけど。
これには実にややこしい理屈がありまして(^_^;)

いえね、アワビっていうのはきちんとオスとメスがいます。
オスとメスの区別を生物学的に言うならば、これは明快なんです。
アワビはたまにいる雌雄同体(オスになったりメスになったりする)
というようなややこしいイキモノではなくて、
ちゃんとオスとメスが分かれている生き物です。

ただし、これは外観からは区別が付かないんですよ(^_^;)
アワビの身を取って、内臓の色で区別するんです。
内臓の中にある、わたの色が黒っぽい色のものがメスで、
白っぽいわたをしてるのがオスなんだそうです。
なので、アワビのオスとメスは
さばいてみるまで分からないんですね。

ってことで、市場ではアワビのオスとメスっていうのは区別は
まったくしていません。
味もそんなには変わらないようですしね。

ということならば・・・
話は全然ややこしくはないんですけども・・・。
ややこしくなってくるのはここからです(汗)

市場で、というよりも水産業界では
アワビのオスとメスの区別っていうのがもうひとつ別にあるんです。
それは・・・アワビには「オンガイ」「メンガイ」 
つまりは「オスアワビ」「メスアワビ」
呼ばれている二種類のアワビがいるんです(汗)

でもこれは実際にはアワビの性別のことを指してるんではなくて、
あくまでアワビの種類の区別を「オス」とか「メス」とか言ってるんです。

・・・なんだかややこしくなってきたでしょ?(^_^;)

もう少し分かりやすく解説しますと、市場で俗に「オンガイ」と
呼ばれてるのがクロアワビという種類のアワビ。
そして「メンガイ」と呼ばれているのは
アカアワビ(マダカアワビ)
という種類のアワビなのです。

このクロアワビ(オンガイ)っていうのはかなり相場が高い、
いわゆる高級アワビっていうヤツになります。
これに対してアカアワビ(メンガイ)はクロアワビよりも
だいぶ値段的には安いことが多いんですよ。
ただしこの相場については都会の市場での話ですが。

もちろん、これらの区別はアワビの種類を指してるわけですから
オンガイの中にもオスとメスはいますし、
メンガイの中にもオスもメスもいる、っていうわけです(爆)

・・・なんともややこしい話ですよね(^_^;)

さらにややこしのは、
このオンガイとメンガイの区別っていうのが
徳島の市場ではあんまり明確にはなっていない、
ってこと(汗)

都会の市場ではクロアワビとアカアワビ、
すなわちオンガイとメンガイは明確に区別されていて
別の種類のアワビとして相場は全然違います。
なので、徳島からこうした都会の中央市場に
アワビを出荷するときには
オンガイとメンガイはキッチリと分けて
出荷しないといけません。

でも、徳島中央市場ではオンガイとメンガイがあんまり明確に
分けられていなくて、セリ場に並んでいるアワビには
オンガイとメンガイが混ざっているのが当たり前(^_^;)
セリ人もセリ開催人も、オンガイとメンガイを
あんまり区別せずに売り買いをしているような
感じなんですね(苦笑)

中にはキッチリとオンガイとメンガイを
分けて箱に入れてきてて
きっちりと区別をして出荷してくる漁師さんも
いらっしゃるのでそういうキッチリとオンガイだけの
アワビの箱はそれなりに高い相場が付いてたりもしますが、
別に混ぜていても文句はあまり言われませんね(^_^;)

さらに徳島の場合にはアワビの亜種である
「ヒラガイ」というアワビによく似た貝も
あまり区別されてなかったりします(爆)
で、このヒラガイも徳島ではマダカアワビといっしょくたに
「メンガイ」と呼ばれることが多いんです。

hiragai.jpg

これがヒラガイっていうヤツです。
ね? アワビでしょ?(^_^;) 
でも厳密にはこれはアワビじゃないんだそうです。
だけど、徳島ではこれは「アワビ」です(苦笑)
もうちょっと厳密な区分だと徳島ではメンガイ、
ってことになりますが・・でもそこまで区別することも
あんまりない、っていうのが徳島。。

嗚呼なんともややこしい!(>_<)


そんなわけで、セリ場に並んでいるアワビの箱の中には
オンガイとメンガイ、さらにヒラガイが混ざっている
なんてことも。
厳密に区別をして買っていくお客さんも
まったくいないこともないのですが、
区別していないお客さんが大半、というのが
実際のところなんですね(^_^;)

これは都会の中央市場ではあり得ないことだったりするので、
ことアワビに関しては徳島の人たちっていうのは妙に
おおらかだったりする、というわけ(^^)
アワビはアワビ、おいしかったら別にいいやん? 
みたいなノリなんでしょうかねぇ?

よく言われるのは、オンガイはコリコリとした歯ごたえがあり、
メンガイはオンガイよりも身が柔らかく、オンガイは刺身向きで
メンガイ蒸し物などに向く、ってことらしいです。

都会での相場としては、オンガイのほうが高くて
メンガイはオンガイよりもだいぶ安いんです。

徳島では上述のようにあんまり区別されることがないのですが
都会では区別されているので、都会の中央市場に
アワビを送るときにはきっちりと区別をして出荷しないと
とんでもないことになっちゃいます(滝汗)

徳島魚類では関西や東京方面の中央市場に
いろいろな徳島の水産物を送っているので
アワビの区別もきちんとできる人が多いんですが、
意外と市場関係者でもこのオンガイとメンガイの区別が
よく分からない、っていう人も多いのかも知れません。
だって、区別する必要がないんですからね(^_^;)

でもね、オンガイとメンガイの区別ができる人でも、
そのアワビのホントの性別、つまりオスとメスは
見分けられる人はほとんどいないんです。
だって、オスとメスは
さばいてみないと分からないんですもん(苦笑)

そんなこともあり、徳島の魚屋さんが
「アワビにオスとかメスとかあるんか??」
というふうに言った、ということなのかもしれませんね。

ちょっと試しに、徳島魚類でも一番魚に詳しいと思われる
ある人にアワビのオスとメスの区別って知ってる? 
と聞いてみたのですが・・・

内臓の色が違う、っていうことまでは知ってましたが、
内臓が白っぽいのがオスで黒っぽいのがメスでしょ? 
と、正解とは逆の覚え方をしていました(苦笑)

まぁそれぐらいにアワビはホントに性別、オスとメスでは
そんなに味が変わることはないようですね。
オンガイとメンガイでは味や相場は違うけれども、
オスとメスでは味や相場に差はない、という・・・

アワビのややこしいオスとメスのお話、なのでした(^o^)
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